第54回 スーパーボウル 感想
今年もスーパーボウルがやってきた。
高校時代アメリカンフットボール(以下アメフト)部だった筆者にとっては、1年で最も楽しみな日のひとつである。
恐らく多くの日本人はスーパーボウルを見たこともなければ、単語を聞いたこともないであろうから、一応説明すると、
スーパーボウルとは、アメリカで人気ナンバーワンスポーツであるアメフトのプロリーグ、NFL(National Football League)の決勝戦である。
余談だが、たいていの日本人はアメフトなんぞ観たことないし、実際の映像を見てもラグビーだと勘違いする人までいる。筆者はアメフトをラグビーと呼んでくる人間がこの世で最も嫌いだ。(ラグビーを嫌っているのではなく、アメフトの知名度の低さと、昨今の空前のラグビーブームへの嫉妬ゆえである)
少しでも多くの日本人にアメフトの面白さを知ってほしいものだ。
話をスーパーボウルに戻そう。
今回のスーパーボウルは50年ぶりのスーパーボウル制覇を目指す、カンザスシティー・チーフスと、7年ぶりの出場となったサンフランシスコ・49ersの対戦だった。
アメフトにはクオーターバック(通称QB)というオフェンスの司令塔であると同時に、チームの顔といえる花形のポジションがある。今回のスーパーボウルはチーフスのQBがパトリック・マホームズ、一方49ersのQBはジミー・ガロポロ、という2人だった。最近のスーパーボウルと比較しても、両チームのQBが若手であるのは、久々だったし、なんといっても2人ともイケメンで華がある。
筆者のひいきチームは今回出場ならなかったので、中立な立場での観戦であった。しかしガロポロのほうはもともとひいきチームの控え選手であり、移籍した49ersでスターへと成長したという経歴がある。そういうわけで49ersを応援することにした。
スーパーボウルは今までの傾向として、ディフェンスが強いチームが勝ってきた。
今回に関しては、チーフスが圧倒的な攻撃力を持つ一方で、49ersは堅実な守備を誇るため、試合前は49ers優位かと思われた。
しかし結果としては20-31でチーフスが勝利した。
最終的にはチーフスが11点差をつけたものの、スコア以上に接戦した白熱の展開だった。
前半を10-10のタイで折り返し、後半の第3クオーター、49ersが10点を加え、20-10と10点リードした。どうもこの時点では、チーフスの攻撃はかみ合っていなかったし、マホームズもインターセプトを2回きっするなど、本調子ではないように見えた。これも全米が注目する大舞台ならではのことであろうか。
しかしそんななかでも、マホームズの俊敏さは健在であり、49ersが誇る、最強のディフェンスラインが襲い掛かろうとしても、サックされることなく、交わしてしまう。
そして第4クオーター残り6分、ついにチーフスがタッチダウンを決める。この時点では49ersがまだ3点リードしていたので、49ersが得点を挙げれば、チーフスにとっては苦しい展開になるはずだった。
しかし49ersの攻撃はあっさり抑えられてしまった。ガロポロの表情もそれまでと異なり、曇りが見えていた。
そして試合時間残り2分で、チーフスが逆転のタッチダウンを挙げる。49ersが逆転するには十分な時間が残っていたが、試合は流れはすでにチーフスに傾いていた。
結局チーフスは再度タッチダウンを決め、試合終了。
50年ぶりのスーパーボウル制覇となった。
両QB率いるオフェンスはどちらも見ていて大変楽しいものだった。
若きマホームズにとって、今回の優勝は彼の伝説の幕開けに過ぎないのではないのかと思う。
ガロポロも負けてしまったが、彼にとってはフルで出場した、初めてのシーズンであった。来シーズンはもっと強くなって帰ってくるであろう。
来年のスーパーボウルが早くも楽しみである。
そして気になるのは、われらがペイトリオッツのブレイディ―様の去就問題である。本人は現役続行を明言しているが、果たして彼が来シーズンどこのチームのユニフォームを着てプレーするのか気が気でない。
ブレイディ-様、来シーズンもペイトリオッツでお願いしますorz
それではまた